Fate雑記(士凛特化)&血だまりスケッチ こと 魔法少女まどか☆マギカ観測所

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クララの明治日記 超訳版第84回解説

【クララの明治日記 超訳版解説第84回】
「今週は先週に引き続き、グラント将軍特集の予定でしたけれども」
「たみ義母さまがクララに語った内容、本当に江戸にとってエポックメイキングなことばかりだから、今回はこちらの解説をするねー。
まず最初にクララが聞かされたのは、安政年間のコレラ騒動。
丁度グラント将軍来日時にコレラが再流行していたから、話のきっかけになったんだろうね。
「少し前にドラマ化された某漫画でも、コレラの流行が描かれていましたわね。
日本での一般的な呼び方はコロリ、漢字表記だと“虎列刺”でしたっけ?」
「うん。呆気なくコロリと死んじゃうと云うことで“三日コロリ”ってね。
時系列的に云うと安政5年、つまり1858年、長崎に上陸したコレラは東に蔓延して、7月末には江戸に侵入。
8月に入ると江戸とその近郊での病勢は激甚を極め、流行期間1ヶ月余りで、推定死者は江戸だけで約10万人。
少々誇大な数字らしいけれど、実は江戸期のどんな地震よりも、死者数は多いと考えられています」
「それはそれで、なんだか意外な気がいたしますわね。
地震の規模がもっとひどいと思っていたのか、コレラの流行が想像以上に大きいのか、難しいところですけれども」
「じゃあ、次はその地震の方、いわゆる安政の大地震の話を。
義母さま“コレラのつい一年前に大地震があって”と云っているけれど、これは間違い。
安政地震が起きたのは安政2年、つまり1855年の10月2日夜。
義母さまは1月と云っているのは、旧暦と新暦が゜ごちゃごちゃになっているのかな?」
「旧暦と新暦の違いにしても少しおかしくありませんこと? 旧暦だと11月11日のようですわよ?」
「んー、他の地震とごっちゃになっているのかな? 本当にこの当時はよく地震があったようだから……って、調べてみたら安政年間に三つも巨大地震があったみたい。
それはともあれ。
老母と娘さんの話、本当にお気の毒だよね。。。」
阪神大震災の時にも殆ど同じような事例があったように聞きますわよ。
ただ今のご時世だと、慈悲の心から“息の根を止めてくれる人”はいないと思いますけれども」
「…………世知辛い世の中だものね。
ただ一般的には火で焼かれる前に、先に煙に巻かれちゃうから……ということが多いんだろうけど」
「残るは上野の彰義隊戦争の話ですけれど、ここで意外な話が出て来ますわね」
「普通テレビドラマや小説だと、勝邸に乗り込んでくるのは幕府の強行派だものね。
“官軍の人間が大砲持参で勝邸に押しかけた”なんて展開、見たことないもん」
「普通に考えると、おかしな話ですわね。この時点では江戸城は開城は決定している筈ですし。
まかり間違ってこの時点で勝提督が“官軍の手で”殺されていたりしたら、とんでもない展開になっていた筈ですわよ?」
「抜刀して座敷に駆け込んできて怒鳴る、なんて如何にも薩摩藩士あたりがやりそうな手口だけどね」
「いえ、何処の時代の何処の人間だろうと“過激派”なんて、似たようなものですわよ」
「うーん、それは確かにそうかも? でもとりあえず、ここは“たみ母さまの証言”を残しておくね」
「それにしても、肝心なときにいつも家にいらっしゃいませんわね、勝提督は?」
「……父様“お仕事が”忙しかったし、仕方ないところもあるし……」
「たみ夫人が“勝とは同じ墓には入りたくありません”と云ったのは、手広かった女性関係だけでなく、危機一髪、肝心なときにばかり家を不在にしたからかもしれませんわね」
「……ううっ、少なくともこの展開では完全に否定できないかも?」
「それにしても勝夫人、折角この頃は『もう余生はきっと何事もなく送れると思っております』と云っておられたのに、この後も……」
「……その件については、また改めて語らせて頂きますね」
(終)


と云った所で、今週も最後までお付き合い下さった方、有り難うございましたm(_)m。
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