Fate雑記(士凛特化)&血だまりスケッチ こと 魔法少女まどか☆マギカ観測所

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クララの明治日記 超訳版第87回−4

1879年8月5日 火曜
今朝、ウィリイと一緒に横浜に出かけたが、八時三十分発の汽車に乗り遅れて、駅で一時間余りも待った。
横浜に着いてから、ウィリイは税関へ、私はヘップバン夫人のお宅へ行って、とても楽しい一日を過ごした。
ヘップバン夫人は十日間、小山に行くことになっているので、帰って来たらゆっくり泊まりに来るようにと仰った。
楽しい一日を過ごし、疲れて家に帰った。
午後には、アニー・ブラウンの家を探しに出かけたが、私はひどい方向音痴なのでなかなか見つからなくて困った。
私も車夫も、会う人ごとに「ブラウンさんのお住まいは何処ですか?」と尋ねた。
勿論聞かれた人は名前が分からないので、私はその家族のことを説明せざるを得なかった。
「としとったダンナさん、オカミサンンワカイ、アカンボ、ムスメオオキイ」と。
それでこちらの家、あちらの家へと行かされて、とても見つかりそうもなくてほとんど絶望しかけていた時、私たちは二七五番地の家の前に止まった。
そこで一人の車夫が、ブラウンさんは十七番地に住んでいると教えてくれたので、反対側の山手の方へ駆け足で戻り、やっと家を見つけたというわけだ。
しかしアニーは丁度東京のクレッカー先生の家に一月ほど泊まりに行っていて留守だった、というひどい顛末だった。
ヘップバン先生の家に帰ってから、ウィリイとリーナさんと私とで、クローケーをして遊んだ。
驚いたことに一度目は私が勝ったけれど、二度目には完敗した。
帰りの汽車はハリス氏と一緒だった。
彼はマックレー先生のところに、先生の奥様が亡くなってからずっと泊まっていたのだ。
彼は亡くなられた方のこと軽んじている様子で、こんなことを云った。
「先生はあまりがっかりしておいでではない――先生は一人でいるのに慣れておられる」