Fate雑記(士凛特化)&血だまりスケッチ こと 魔法少女まどか☆マギカ観測所

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クララの明治日記 超訳版第87回解説

【クララの明治日記 超訳版解説第87回】
「都市伝説の定番である『ベットの下の男』。
まあ、この場合実際に潜んでいたのは女性なわけだけど、まだ十歳そこそこのアディちゃんにとっては男も女も関係ないわけで。
ひょっとしてこの話が巷に流布して、現在の都市伝説の原型になったとか!?」
「そんな筈ないでしょうに! 
……と云いたいところですけれど、100%、確実に否定できる根拠もありませんわね。
ただやはりシチュエーションは偶然に一致でしょう。
それより注目すべきはアメリカ人であるクララの妹から、咄嗟に『ベットの下に斧を持った人が潜んでいる』という発言が出たことですわ」
「ん〜、ということは、やはりこの都市伝説の原型はアメリカで、しかも百年以上昔からあるってこと? 
ま、日本には元々ベットなんてなかったんだから、普通に考えて当たり前だけれど」
「いま『ベットの下の男』で検索してみますと、起源はアメリカのようですわね。しかもとても古い」
「どれどれ? へー、ホントだ。あ、でも、1900年代からの確認事例ばかりで、その前の世紀はないよね、これを見る限り。
英語版のwikiまでクグる根性はないけれど、ひょっとしてクララのこの記録、ものすごく貴重なもんなんじゃない? 
研究している人に連絡して上げた方が良いレベルで。
ひょっとしたら、後にアメリカに帰国したクララがこの時のエピソードを広めてという可能性も……」
「根拠のない妄想はおやめなさい! ……と云いたいところですけれど、そうだったら面白いことだけは否定はしませんわ。
ただ実際のところ、恐らく本当に古くからアメリカにある、誰もが知っている都市伝説の類だったのでしょうけれど」
「それにしても、上で検索したwikiの記述を見ていると、日本にも古くから似たような話があるんだね」
「“古今著聞集”ですわね。鎌倉時代の説話集の。
『旅人が通りがかりの空き家に泊まったところ、室内に鬼が潜んでいることに感付き、それとなく外に停めてある馬の様子を見に行くふりをして家を出て難を逃れる』
“ベットの下”と“部屋そのもの”という違いはありますけれど“無防備になったところを襲われかける”というシチュエーションは同じですわね」
「これはアレかな? この怪談の教訓はやっぱり“常在戦場”ってこと?」
「そんな筈が……って、もう疲れるだけなので、ツッコミはいれませんことよ。
それにしましても“古今著聞集”にしても、ほぼ同時期の“宇治拾遺物語”にしても、怪談が多いですわよ。
“物語”としての怪談は、本当に古くからのもの、ということが実感できますわ
それによく読むと、瞬間移動のSFみたいな話もあって、古語ではきついでしょうけれど、現代語訳で読めば十分面白いものもありますわ。
難を云えば、話のレベルが本当に玉石混淆なことですけれども」
「古典のSFといえば、竹取物語からしてそうだからねー。
怪談の要素が色濃い代表的なもので云えば、源氏物語伊勢物語もあるわけだけど。
後者の『駆け落ちした女が鬼に喰われた』なんて話は、多分在原業平の実話だし、実話である以上は怪談ではなく、ミステリーの類なわけだし。
確かこの話を題材にした小説もあった気がするけど、なんだったっけかな?」
「そんなもの、自分でお調べなさい!」
「というわけで、今週は夏休み定番“怖い話”特集をお送りしました」
「今回の解説のどこが“怖い話”ですのよ!?」
(終)


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