Fate雑記(士凛特化)&血だまりスケッチ こと 魔法少女まどか☆マギカ観測所

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クララの明治日記 超訳版第90回解説

【クララの明治日記 超訳版解説第90回】
「本日のメインは当然上野での“御前試合”ですけれど。
その前、今回の日記の冒頭部分がいきなり気になったのですけれど、近所の“乃木氏”というのは、ひょっとして……」
「それって、若い女の子を、服の上からじっくりと眺め回して、
“へっへっへっ、お嬢ちゃん。その下には一体何を着ているのかなあ?”
って聞いてきた“乃木氏”のこと?」
「……アナタの国の“英雄”のことですから、お逸がちゃんと責任をとる分には何も突っ込みませんわよ」
「……そんな怖いツッコミをうけたので、実は二番目の台詞の“更に過激な改変ネタ”はお蔵入りにすることとして(汗)。
うーん、でも、実際にどうなんだろうね? “乃木”なんて苗字、そんなに沢山ある筈はないんだけど。
もっとも、クララの日記の記述だけではなんとも云えないけど。
実際、人物特定できている方には苗字だけでなく名前の補足が入っている“文庫版”だけど、この“乃木氏”については、そのままの記述だし」
「……編集者の方も、深くツッコミは入れたくなかったのでしょうね」
「記述されていることを“なかったこと”にできない日本人の“性格”と“くさい物には蓋”という日本人の“知恵”の見事な融合が果たされたところで、本日の本題である上野の“御前試合”について」
「“御前試合”と聞くと、一般的には、江戸城における寛永御前試合のそれかしら? 
最近では某漫画における駿府城のそれでしょうけれど」
「うん、多分そんな感じだよねー、一般的な認識は。
こちらはそんな血腥さとは無縁の、平和な、それこそ今でも地域のお祭りでやってるレベルの武芸だけれど。
ただ、陛下まで出席されたこの“御前試合”は何処を探しても詳細な記述が見つからないんだよねー。
手元にある“明治世相編年辞典”にも載ってないところを見ると、当時でもそんなに話題にならなかったのかな?」
「クララの記録を読む限り、相当の人出だったようですけれど、当時の感覚としては一種の“お祭り”だったのでしょうね」
「“今更武芸もないだろう”ってことは見に来ていた庶民もうすうす分かったいただろうしね。
ちなみに。かの有名な剣客、榊原健吉が撃剣興行などで剣の腕を“芸”として披露し始め、本格的に流行しだしたのがこの年くらいからみたい。
この年の6月1日には、英国公使館で各国公使たちにも披露した、って先程あげた“明治世相編年辞典”に載ってるね」
「……“武”を志した人にとっては、大変な時代になってしまいましたものね。
時代の趨勢は致し方ない、と割り切れただけ、榊原氏は明敏だったのでしょうけれど」
(終)


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