Fate雑記(士凛特化)&血だまりスケッチ こと 魔法少女まどか☆マギカ観測所

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クララの明治日記 超訳版第92回−4

1879年9月9日 火曜
大山沢子夫人がいつものように来られ、お喋りをした。
十六歳で結婚して、今二十歳だそうだ。
ちなみに、西郷清子夫人は二十六歳。
大山夫人の教科書にはノアの箱船のことが出ていたので、説明してあげたところ、とても面白がられた。
頭が良くて理解しようと一生懸命である。
ノアからダビデ、ソロモン、モーゼ、その他の旧約聖書からはじめ、福音書まで来て、「世の光」キリストの生涯について復習した。
私の生徒さんはキリストについて一度も聞いたことがないそうだ。
小一時間はかかったが、私の短い説明が終わると大山夫人は溜息をつき、「オモシロイ」とつぶやき、考え込んでしまった。
いとしいお方、どうぞ道と真と生命を見出すことができますように。
「クララさん、工部大学校のD氏と婚約したというのは本当ですの?」
大山夫人が突然そんなことを云われるので吃驚した。
しかも、日本人はみんなそう思っているという。
なんということか!
もちろん、そんな筈は決してない!
もしD氏が私のペイトン氏に対する思い切った振る舞いのことを聞いたら、さぞかしD氏の私に対する評価は落ちるであろう。
なぜ私はお行儀よくしていなかったのだろう。
でもなかなかそうはいかないのだ。
ディクソン氏はペイトン氏を極度に嫌っている。