Fate雑記(士凛特化)&血だまりスケッチ こと 魔法少女まどか☆マギカ観測所

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クララの明治日記 超訳版第95回−2

1879年10月26日 日曜
工部大学校の綺羅星の如き教授陣に新たな星が加わった。
ディクソン氏の弟のジェームズ・メイン・ディクソン氏が、昨日ボルガ号でようやく到着したのだ。
今朝、教会に行く途中の二人に会ったが、弟さんの方は背の高いお兄さんに比べてとても背が低いことしか見る暇がなかった。
更に教会では彼は私の前に坐ったが、黒いちぢれっ毛の紙と色白で細面の心配げな顔つきしか見えなかった。
五時半に二人は人力車で家にみえた。
母とウィリイが応接間に入ったが、私は後に取り残されてしまったので入っていけないでいると、母が呼びにきてくれた。
私を見るとディクソン氏は椅子から立ちあがり、私の手を取って弟さんに紹介してくださった。
私は気恥ずかしくて顔も見られなかった。
「お目にかかれてうれしゅうございます」
ただお辞儀をしてどぎまぎした声で云うと、できるだけ離れて坐った。
ディクソン氏はいったい私のことをどう思うだろうか?
そう思うと、自分のぎこちなさがとても恥ずかしかった。
丁度そのとき母が「夕食ですよ」と呼んだので、本当にほっとした。
二人が帰る前に、名前のことで混乱が起きた。
「私はウィリアムで弟はジェームズですから、これからそう呼んで下さい」
ディクソン氏はこう云われた。