Fate雑記(士凛特化)&血だまりスケッチ こと 魔法少女まどか☆マギカ観測所

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クララの明治日記 超訳版第95回−4

1879年11月4日 火曜
今朝はとても疲れていたので、遅くまで寝ていた。
だがウィリイは鳥と一緒に起きて、面白い手術を見に本郷に出かけた。
あの人はおそろしい手術があると大喜びで、もう一人前の、切った張ったの外科医だ。
今晩はお逸の一番上のお姉様である内田夫人がそば粉のケーキの作り方を習いにみえたが、その合間合間に、信仰について面白い話をした。
私は私たちがどうして日本に来たのか。そして彼女たちのことを知るずっと前から彼女たちのために祈っていたことなどを話した。
それから私たちは種を蒔く人の譬え話について話し出したが、彼女はとても心を打たれたらしい。
「福音のことを教えていただいてとてもありがたいです。
路傍の地や石ころだらけの地のようにはなりたくありませんわ」
彼女は更に目を輝かせてこう云った。
「クララさんたちがここにいるうちにできるだけ多くのことを学びたいです。
クララさん達が国に帰られてしまえば、もうこのように素晴らしいことを教えて貰える機会が二度とないかもしれないのですから」
更に私はモクリッジお祖父さんの穏やかな一生と、荘厳な死について話した。
内田夫人はとても熱心に聞いていて、最後に精一杯の想いをこめてこう云った。
「そんな死に方ができるなんて素晴らしいことですね。
キリスト教こそ真の信仰に違いありません。
日本ではそんなに喜んで死ぬことはありません。
サムライは死を恐れず勇敢に死にます。
でもあなたのお祖父様がご覧になられたように、天を垣間見ることなど聞いたことがありません。
あなた方の信仰こそ本物に違いありません」
日本語が少しできるお陰で、このような話を彼女にできるようにして下さったことに対し、私は神に深く感謝している。