Fate雑記(士凛特化)&血だまりスケッチ こと 魔法少女まどか☆マギカ観測所

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クララの明治日記 超訳版第95回解説

【クララの明治日記 超訳版解説第95回】
綺羅星!」
「…………はいはい、その通りですわね。
今回紹介したディクソン氏の弟は事実、今日の日本の英語教育の礎を作った人物として、日本の英語教育史にその名を残していますわ」
「折角久々にオタネタでボケたのに、ツッコミ入れてくれないなんてひどいじゃない!」
「該当番組を見た人間しか分からないネタにツッコむつもりは一切ありませんことよ!」
「見てても、視聴者完全に置いてきぼりだったけどねー“銀河美少年”ってなによ!? ……という話は、どうでもいいからさておき」
「さておく話を枕詞にするんじゃありませんことよ!」
「いやー、実はそれほどさておく話でもなかったり。
綺羅星”であるディクソン氏弟が工部大学校教授になった翌日の日記に、明治十二年になっても“お雇い外国人”のレベルが玉石混淆だったことが分かる記録が残されているわけで」
「授業中に生徒ほったらかしで友人と遊びに行く教師。
教室でパイプや葉巻をくゆらし、ブランデーを飲み飲みながら講義する教師。
同じく酒に酔って授業中にスコットランド歌謡を口笛で吹く教師。
クララも憤慨しているけれど、本当にとんでもない話があったものですわね」
「わたしイチオシのロシア人革命家、レフ・イリイッチ・メーチニコフも同じようなことを書いてるよ。
彼の場合、現在でいう東京外国語大学の講師だったわけだけど、飲んだくれて教壇で寝ている外国人講師がいる、ってね。
でも、こんな講師は早晩お払い箱になるのである意味で問題ないわけだけど、洒落にならなかったのがこんな事例。
いたってまっとうな“ロシア語講義”が行われているかと思いきや、ロシア人であり、十数カ国語をマスターしていたメーチニコフが注意して聞いてみると愕然。
ロシア語講義の筈が、実際に教えられていたのは“ロシア語訛りのポーランド語”だった、なんて話が」
「……それは真実に気付いた後、ダメージが大きそうですわね、生徒側も学校側も」
「メーチニコフさんの話は明治8年くらいのことだけど、それから数年程度では改善されてなかった、というわけ」
「それにしても明治政府はどんな基準で講師を選んでいましたの? ちゃんと身元確認を致しませんでしたの?」
「うーん、文系理系問わずに、お雇い外国人の講義を受ける前提としてその国の言語、もしくは最低限英語を学ぶ必要があったわけで、需要は極めて大きかったんだけど、極東の島国まで言語の専門学者がそうそう来てくれるわけもなくてね。
統計を見たことがある訳じゃないんだけど“まともな講師”として多分一番多かったのはキリスト教の牧師やキリスト教の関係者だと思う。
事実ヘボン博士やディクソン氏兄弟もそうだし。
ただ“ある程度の日本語”さえ喋れれば、母国語の講師をやる気になればやれたわけで、玉石混淆になっても仕方なかったのかと」
「では理系、医学や物理学や数学、文系でも法学とかの専門家はどうやって調達しましたの?」
「物理学や数学に関しては、いい加減な経歴の人間も最初はいたみたいだけど、数字や計算が全ての世界だから結構早く駆逐されたみたい。
あと今日名前が残るお雇い外国人なんかは、明治政府の首脳が留学時やら使節団として欧米に滞在した際に知り合った、その国の政治家や高名な教授に推薦された“新進気鋭”の若い学者たちが多かった感じかな?
母国で将来を約束されていた人たちが、どんな動機で“世界の最果て”に来る気になったかは、人それぞれに事情があるみたいだけど。
ちなみにメーチニコフさんの場合“明治維新という革命を研究するため”というのが主目的だったみたいw」
「……骨の髄まで革命家ですわね。
あとそれ以外だと今回非常に興味深かったのが、貴女の一番上のお姉様とクララの会話ですわね」
「夢お姉様、世間知らずだからなあ。旦那様も早くに亡くなって、うちに帰ってきてるし。
いいか悪いかは別として本当に“純真”だから、クララの話に素直に感激しちゃったんだと思う」
「しかし貴女のお宅、貴女がた三姉妹……もとい、お逸を除いて上のお姉様二人、クララの日記を読む限り随分キリスト教に肩入れしていますわね」
「……わたしが一番クララからキリスト教の教えを聞いている筈なのに、確かにクララの日記を読む限り、私がキリスト教に深く傾倒している記述は全然出てこないよね。
わたしに関しては諦めてたのかな? 今回イチジクの話を少し思いだしただけで感心されているところを見ると」
「それでいて、間違いなく一番の親友は貴女だったのだから、本物の友情というのは国籍も人種も宗教も超えるものなのでしょうね、きっと」
(終)


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