Fate雑記(士凛特化)&血だまりスケッチ こと 魔法少女まどか☆マギカ観測所

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クララの明治日記 超訳版第98回−4

1879年11月22日 土曜
今日は悲しいことが起こり、相反する二つの思いに胸が張り裂ける思いだ。
こんな個人的出来事を書くことが賢明であるとしたら、本当に悲劇的なシーンを描写できるのだが。
母は身体の調子がとても悪い。
そして私たちはアメリカに帰らなければならない。
帰ったとしてよくなることは少ししかないのに。
朝中ずっとつらい思いで過ごしたが、雲はなく、外の陽ざしは明るかった。
だが賢い神は、結局私たちに良い一日をお授け下さった。
「目黒の近くの有名な池と庭に、ディクソン兄弟と一緒に行きましょう」
アンガス氏がそう誘って下さったのだ。
勿論、お兄さんの方は来ず、母は悔しがったし、私はまたも傷つけられた。
静かな田舎道につくと、人力車を降り、私たちはじきに機嫌がよくなった。
こんなに空は明るく、空気はすがすがしいのに、どうして塞いでいられるだろうか。
私は男の人たちに何事もないと思わせるように、できるだけ陽気にお喋りした。
親切に私たちを誘って下さったのだから、私もできるだけ気持ちよくしてあげなくてはと思ったのだ。
帰りに大鳥氏の家に寄り、可哀想なおゆきさんに大好物のパンを届けた。