クララの明治日記 超訳版第98回−5
1879年11月23日 日曜
今夜、ディクソン氏はいつもより早く、疲れた様子でいらっしゃった。
客間で長い間母と話をしておられたが、私はお目にかかりたくなかったので、食堂のストーブのそばにずっと座っていた。
今日、私ははからずも自分の心の底をのぞき、少しずつ気づかぬうちにそこに育ってしまっていたものを見てしまったのだ。
苦しかった。
しかし今はすっかり切り取って捨ててしまった。
時折、はるかな思い出として私の胸を刺すことはあっても、もう私を悩ますことはないだろう。