Fate雑記(士凛特化)&血だまりスケッチ こと 魔法少女まどか☆マギカ観測所

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クララの明治日記 超訳版第102回−1

1879年12月11日 木曜
今日はクラスはやめにして、父に持たせるおみやげを買いに母と本町へ行った。
カーペンター夫人には刺繍、エマには青銅と象牙のブローチを選んだ。
店員はこの前のことを詫びてきた。
「横浜のイギリス人たちは威張り散らすし、不愉快ですよ。騒々しくてほんとにイギリス人はいやです」
芝に行く途中、子供が仲間に「あれがキリストの先生だよ」と囁いているのを聞いて、とても誇らしく思った。
午後は大勢の人が、餞別をもってお別れに来られたので、父は大変喜んだ。
夕食の時も父はとても機嫌がよかったけれど、勝氏、疋田氏、杉田氏、小鹿さん、お逸もいたが、私たちは気が沈んであまり話もしなかった。
勝氏はこんな話を聞かせてくれた。
「今、東京湾でとれる牡蠣は、元は肥前の大名が持ってきたものでね。
元々あった牡蠣はとても小さくて黒かったが、肥前の牡蠣は信じられないほど大きい。
一個を運ぶのに二人かがりのようなものを見たことがあるくらいだ」
それから徳川家の一番下の若様である田安公が、勝家へ一番家老を寄越してきた話になった。
『隣のホイットニー家で、二十五日に“例のもの”があるなら来てもよいか?』
そんな問い合わせがあったそうだ。 
クリスマスツリーのことを云っていらっしゃるのだ。
玄亀もアディに、内緒の話だけれど「クリスマスに来てもいいよ」と云っているし、滝村氏の子供たちも日を数えている。