Fate雑記(士凛特化)&血だまりスケッチ こと 魔法少女まどか☆マギカ観測所

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クララの明治日記 超訳版第103回解説

【クララの明治日記 超訳版解説第103回】
「今回は現在から約百三十年前のクリスマスの模様をお送りしましたけれど、今回は今までになく“欧米風”のクリスマスの光景だった気が致しますわね。
日本人のゲストが少なかったせいかしら?」
「確かに、日記の記述で読む限り、今回の日本人ゲストは、勝家の関係者と若き田安公くらいだものね。
私も多分この場にいたんだろうけど、出番はないし。
あ、ちなみに、この若き“田安公”というのは、以前クララの家に遊びに来て、この当時だとイギリス留学している徳川家達公の実の弟である徳川達孝様のこと……だと思う、年格好的に。
この年十四歳の筈だから“若殿”というのに丁度ピッタリだし。
ちなみにこの方、後に大正天皇侍従長にもなるんだけど……銀行の倒産に巻き込まれて莫大な借金を負って、家屋敷を手放してお兄さんの家に転がり込む始末。
それでも足りずに家宝の大部分を“売り立て”して、なんとか借金を返したみたい。
現在出回っている“徳川家売り立ての骨董品”というのは、ここから結構出てるんだって。
いやー“人生の椅子取りゲーム”で“弾き出される”とこんな感じになっちゃうんだね、本当に」
「皮肉が効きすぎているから、そこらでおやめなさい、お逸。
御本人が浪費して家を食い潰したわけではないのでしょうから」
「……はい、今のはちょっと反省。丁度日記に椅子取りゲームの話があったから、つい。
しかし徳川家一門の家でも破産するんだね、本当に」
「そういう貴女の家も、お父様が亡くなられた以降、特に第二次大戦後などは悲惨なことになったそうではないの」
「や、うちの父様、世間一般には“慶喜公の実子を養子に貰い、徳川家の家臣としての努めを全うした”と思われてるみたいだけど、よくよく考察すると、どうやら本当に家を潰す気、満々だったみたいだよ。
小鹿兄様が早くに亡くなられた後は、本当に家の存続なんてどうでも良かったみたい。
この辺は後に改めて解説で取り上げる予定だけど。
現にクララなんか父様が亡くなられる前から“俺が死んだら子供を連れてアメリカに帰っていい”みたいに云われていたみたいだしね。
ま、こっちは我が弟、梅太郎の出来の悪さもあってのことだと思うけどさ」
「本当に勝海舟という方は“複雑な方”だったようですわね」
「……実の父親ながら、屈折していたというか、少々倒錯していたというか……その辺は否定はしないわよ、うん。
私の娘二人が父様の最晩年、というか父様が亡くなるその日まで勝の家から学校に通っていたからその証言があるんだけど“ただの一度も頭の一つ撫でて貰ったことない”だって」
「それは、それは……」
「逆に評価鰻登りは、たみ義母様ね。父様自身が云ってるけど、この人が男性だったら、さぞ優秀かつ人望のある政治家になったんじゃないかって。
今日残された資料から見ても確かにそれも満更誇張じゃないって思うわよ。
クララが母親であるアンナ先生を亡くした時、たみ義母様がクララにかけた言葉なんて涙なしでは読めないし」
「……そんな方に、最後の最後に“勝と同じ墓には入りたくない”と云われたのだから、やっぱり貴女のお父様“困った方”であったことは間違いないのでしょうね。
さて、最後に次回予告。クララ、ひとまず最後となる日本の年末の様子を……というところなのですが、大火が発生。大騒ぎとなります」
(終)


と云った所で、今週も最後までお付き合い下さった方、有り難うございましたm(_)m。
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なおブログ末尾に「クララの明治日記 超訳版」参考資料(厳選版)の紹介をつけました。
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