Fate雑記(士凛特化)&血だまりスケッチ こと 魔法少女まどか☆マギカ観測所

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クララの明治日記 超訳版第104回−2

1879年12月28日 日曜  
福沢家の人々がクリスマスのデコレーションを身に三田からやって来られた。
子供さんたちが極めて行儀が悪く粗野だった。
親切なショー夫妻に対する行動があまりにも私を苛立たせたので、まったく構わないことにして、子供たちや福沢氏にただお辞儀だけをした。
福沢氏は、父にお別れに来られなかった言い訳を、くどくどと述べ始められた。
しかし、私はお辞儀をしただけで一言も答えずさっと部屋から出てしまった。
福沢氏は驚かれたと思うが、父に対して、大変失礼な仕打ちをされたのだ。
ちなみに、富田夫人も憤慨して、福沢家を訪問しなくなったそうだ。
祈祷会には大勢の人たちが参加した。
会のリーダーとしてヴァーベック氏が来られ、キリストの奇蹟を主題にとられた。
ヴァーベック氏は日本語が本当に上手で、英語とまったく同じように日本語を話す。
言葉は丁寧で、日本人と全く同じ語調や熟語を使う。
本当に彼ほど流暢に正確な日本語で話ができる外国人は見たことがない。
参加者は皆大変熱心だった。
「クララさんたちと同じ便、二十六日のフランス船に乗って帰国するつもりです」
ディクソン氏はそう云っている。
ディクソン氏とクーパー氏は今日の夕食の時に、保守派、自由派、投票といった英国の政治について大変面白い議論をした。
二人ともアメリカには大変友好的で、アメリカの政治制度や国民を支持した。
しかし、ディクソン氏はこう云うことも忘れなかった。
「女王はいるけれどもアメリカよりイギリスの方がより自由な国ですよ」
彼は精神的には共和主義者だとも云った。
ディクソン氏はまたアメリカに私たちに会いに来るつもりらしい。
私たちもエジンバラに会いに来て欲しいと云った。
「自分の母と妹たちに是非会ってください」
彼は大層自信ありげにそう云ったが、そんなことになるだろうか?
今度の水曜日は徹夜で旧年を送り新年を迎える会が開かれることになっている。