Fate雑記(士凛特化)&血だまりスケッチ こと 魔法少女まどか☆マギカ観測所

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クララの明治日記 超訳版第106回解説

【クララの明治日記 超訳版解説第106回】
「今回の舞台は今から丁度131年前でしたわね。
特になんということはないのですけれど、丁度お正月で季節が被ると感慨深いものがありますわね」
「131年前の東京の1月1日の天気は良好、でも翌2日は生憎の天気だった、と分かるだけでも凄いことだしね。まだこの当時だと、気象庁の記録もないし」
「当時の“生の東京の流行”が分かるのも見逃せませんわね。
“まるで落ちそうに無造作に挿して、粋に見せるのが今の流行りなのですよ”
なんだか現代にも通じるファッションセンスの在り方ですわ」
「あ、でも、まだ、江戸時代の名残が随分とあるのも分かるよね。
“日本の着物は型はまったく変わらない”ってところなんか。
まだ明治の13年だから当たり前と言えば当たり前かも知れないけど」
「一般的に云われているのが、江戸時代を通じて、もう少し限定すれば江戸時代中期あたりから、ほぼ衣服のスタイルは変わっていないそうですわ。
幕府が身分によって着られる衣服の生地を統制したのがそもそもの始まりのようですけれども、実はこの“制限”こそが現在にも通じる日本文化の“粋”を形作ったのは、よく知られている話ですわね」
「厳密に決められた形の中で如何に美しさや艶やかさを出すのか。
その鬩ぎあいの中で、江戸っ子の“粋”が磨かれていったんだよね」
「なんとなくですけれど、日本人というのは“制限された中で、その制限ギリギリいっぱいまで磨き上げる”というスタイルが好きなように思えますわ。
これに関しては良い面もあれば、悪い面もいっぱいあると思いますけれど」
「ああ、最近のケータイの所謂“ガラパゴス化”なんて、悪い面の最たるものだよねー。
他にも既存の製品をギリギリ一杯チューンナップ、俗に“魔改造”して使うことに快感を覚えたりするし」
「携帯電話だけじゃありませんわ。
いえ、確かに“物作り”の場においてが一番顕著にその特徴が表れるでしょうけれど、もっと大きな視点で見れば、社会構造そのものからして“一から作り出す・作り直す”というものが苦手なのだと思いますわよ」
「うーん、なんといっても狭い島国だからね。社会を形作るリソースが少なすぎて、既存のもので使える物は使わないと、社会が廻っていかなかったことの名残なんだと思う。
話を戻すと、服でも江戸時代はそうそう新品の服なんて作れなかったから、普通に売買されるのは中古の服が圧倒的で、そのせいで一般庶民レベルの服の色は再利用可能な色合いが多かったという事情があって、渋めの色に様々なバリエーションが出来たわけで」
「要するに、文化というものはその土地と社会が生み出すもの以外の何物でもない、ということですわ。
当然そこに住まう人間の意識もその文化に多大な影響を受けているわけで、そう簡単に、完全な異文化同士が“互いに分かり合う”のは難しいということでしょうね」
「んー、じゃあ、やっぱりアニメや漫画で日本文化を発信するのが一番良いんじゃないの?
スペイン人は“クレヨンしんちゃん”で、コタツの存在を知って日本文化の一端を理解した、って話だし。
向こうでは大人気番組だったらしいけど、物凄く不思議がられたらしいよ、家族みんなで足を突っ込むカバー付きのテーブルが」
「…………アニメや漫画だけで解決できる話ではないのは当然ですけれど、確かに一助にはなるでしょうね、文化理解の。
時折“ロボットの必殺武器が日本刀なのは旧日本軍を想起させる”とか“寺のマークの卍が、ナチスハーケンクロイツ(逆卍)と誤解された”とか“ポケモンカードは戒律に触れる”とか、壮絶な勘違いやら誤解をされて現地で放送禁止されたりもするらしいですけれど」
「逆に本当にその国で放送して良いのか!? なんて話もあるよ。
シリアでは“一休さん”を放送して大人気だったとか」
「……偶像崇拝禁止のイスラムの国で、偶像崇拝の信徒を称える番組を放送したわけですのね。
最初に放送を提案した担当者、余程自分の生命が惜しくなかったようですわね」
「それ以前に、どうやって一休さんの頓知を、アラビア語に訳したのか、そしてそれで意味が通ったのか、流石に理解に苦しむよねー……と散々話が逸れてきたので、今回のところはこの辺で」
「本年もどうか宜しくお願い致しますわ」
(終)


と云った所で、今週も最後までお付き合い下さった方、有り難うございましたm(_)m。
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