Fate雑記(士凛特化)&血だまりスケッチ こと 魔法少女まどか☆マギカ観測所

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クララの明治日記 超訳版第109−2回

1880年1月18日 日曜
勝氏のところに泊まりとても楽しい時を過ごした。
お逸とこまつと私はトノサマが所要でいらっしゃらなかったので、お部屋を使わせていただいた。
ほかの人たちは風呂に行ったが、私は「きれいになりすぎるのはこわい」と勝夫人に言って――彼女はおかしがった――早く寝たが、高くて固い枕のため眠れない。
ほかの人たちが寝たのを見すまし、「煉瓦」を外してかわりに自分の服を枕にした。
今朝はやや遅く起きたが、九時の日本語礼拝に行くとショー氏に約束していたので、三人の中では私が一番早く起きた。
トノサマの洗面所を使わせていただき、勝氏がご尊顔をお洗いになる真鍮の洗面器で顔を洗った。
ウィリィが教える時使っていた部屋に通され、そこには火があかあかと燃えていた。
やっといとまを告げて出たが、礼拝に遅れてしまった。
だが終わりの部分も興味深かった。
聖歌隊の少年と先生が多数内陣のところにいて、今井夫人が弾くのにあわせてとても正確に熱心に讃美歌を歌っていた。
私は大変うれしく、最後に彼らが二人ずつ並んで出て行くのを眺めた。
英語礼拝の時はショー夫人と坐ったが、その前に私たちはショー氏のところへ行った。
ショー氏は「今日歌う讃美歌をどれにしよう?」と私に相談をなさり、キブルの幼年時代についての美しい詩集を「東京セント・アンドリュース教会の思い出の品」としてくださった。
私はショー夫妻にとても惹かれるので、ユニオン教会よりセント・アンドリュース――聖公会の教会――の方が好きだ。
それで最後の安息日はアンドリュースで過ごした。
ショー氏はロマ書の「悪をもて悪に報ゆる勿れ」をとって説教をなさった。
クーパー氏は私を見てとても喜び、外までいっしょに来てくださった。
午後の日曜学校はとてもよかった。生徒は全員出席し、私は最後の審判の日について話した。
「そのとき、あなたたちも私もそこにいます。
私は今ここを去り、日本にはもう戻れないと思います。
けれどももう別れることのないあの幸福な場所でまた会うことをお祈りします」
私はそう言った。
八人の子供たちは黒い目を涙でいっぱいにして、頭を下げた。
今夜は最後の祈祷会が家であり、大勢の人が参加した。