Fate雑記(士凛特化)&血だまりスケッチ こと 魔法少女まどか☆マギカ観測所

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クララの明治日記 超訳版第110−2回

1880年1月23日 金曜  
お別れの挨拶をするために朝早く家を出発、全部回った。
森氏の家では老婦人に別れを告げ、永田町にある楠本家に行く。
楠本氏は在宅で、母堂に丁重に挨拶された。美しい老婦人である。
楠本議官は府知事を辞められ、暇ができたので、ヨーロッパやアメリカにそのうち行きたいとおっしゃったりして、とても楽しい時を過ごした。
三浦夫人は不在でご主人にお目にかかっただけで、麻布本村町の津田家へ急ぎ奥様とお話をした。
だが一番胸を打たれたのは麻布永坂町にある杉田家で、お祖母様やおよしさん、杉田夫人と火鉢を囲んでしたお話だった。
「もう二度と会えないかもしれませんけれど、魂はあなたちとともにあります。
この世で会えなくとも、天国できっと会えるでしょう。
もう別れることもなく同じ言葉をしゃべり、いつも一緒にいられる天国であなたがたをお探しましょう」
夫人はそう云われた。
本当にもうここでは二度と会えないことだろう。