Fate雑記(士凛特化)&血だまりスケッチ こと 魔法少女まどか☆マギカ観測所

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帰ってきたクララの明治日記 第3回−3

1883年2月7日 火曜日
勝氏のうちの若い人たちぱ今日午後にとても愉快なことをした。
昨夜は大雪で、今朝は文字どおり雪に閉じ込められた。
ヨシと武夫は一晩中わが家に泊まり込んでいた。新しい女中たちはとうに出てしまっていたし。
雪が腰まで積もっていたので、ここでご飯を炊いて、朝食を食べなくてはならなかった。
松の木には重い白い雪がかぶさり、屋根にもまた積もっていた。
アディと私が朝六時に台所におりて行ったところ、吹き込んだ雪が棚にも床にもたまっていた。
綺麗だったけれど、牛乳屋は遅く来るし、魚屋は全然来ないしで、まったく不愉快だ。
正午頃には雪はやんだ。
間もなく得体の知れない種々雑多ななりをした男の子や女の子の群れが、勝家の門からヤシキの広い空き地に現われた。
そこでその子たちは羽目を外して大笑いしながら、猛烈に雪つぶてを投げ合った。
一方は勝家の若奥様が女中たちに囲まれて攻撃の指揮をし、他方は梅太郎が男の子の一隊を率いていた。
若奥様は、着物の上に灰色のフランネルのシャツを着、頭には青い手拭いを被っていた。
一人の女中は青色の夏の着物を、今一人は白の漂白してない着物の上に赤いネルのシャツを着ていた。
しかし男の子たちは、まったく滑稽ななりをしていた。
梅太郎は洋服を、武夫は白のフランネルの下着を着ていた。
七郎は昔の武者のようななりをし、彰爾は短い、丈のつまった袴をつけ、それが足にひどくまつわりついていた。
ミズクミは大きな従軍用の上衣と帽子をつけ、ダイクは木綿の股引とシャツという夏の衣装で、雪つぶてから身をかわしていた。
それは面白い眺めで、見物人も雪合戦に加わっている人たちと同じくらい大笑いした。