Fate雑記(士凛特化)&血だまりスケッチ こと 魔法少女まどか☆マギカ観測所

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帰ってきたクララの明治日記 第8回−1

1883年6月2日 土曜
勝夫人が昨日の朝お赤飯を届けてくださった。
それは大層みごとな箱に入っていて、美しい刺繍のある袱紗がかけてあった。
小鹿さんの健康が恢復したので、病気中のお見舞いに対する内祝なのである。
ちょっとたってから行ってみると、およねが大きな桶に入っている赤飯をかきまわし、七郎やヨシなどがそのまわりに立って、お見舞いをくださった人々へそれを持って行くよう待ちかまえていた。
勝夫人と、小鹿さんの奥様が後ろの部屋で塩を包んだり、礼状を書いたりしていた。
今朝、私は疋田夫人と婦人祈祷会に永坂へ行った。
途中杉田夫人と、およしさんを誘って一緒に行った。
杉田家は美しい新築の家が完成したばかりで、それを見るのは初めてだ。
杉田夫人は私たちにおいしいご馳走をしてくださり、家中を見せてくださりこう云われた。
「貴女のお母様にこれをお見せできる時を楽しみにしていたのに」
母がいろいろ夫人の持ち物や、台所までも見て喜んでくださったであろうともおっしゃった。
このことを先日杉田夫人が家族の人たちに話していたら、六蔵さんがこう云ったそうだ。
「そうだね、ホイットニー夫人がこの新しい家をご覧になるのはよいけれど、今は天国のそれはそれは美しい家にお住まいだから、この家なんか貧弱に見えるだろうよ」
会は二十名足らずの婦人が出席して、とてもよかった。
私以外は全部日本人であった。
その家の主は未亡人のクリスチャンで家の様子からみて裕福らしい。
私たちは議題としてイエスの誕生をとりあげた。
婦人たちの熱心さは驚くべきものであった。
そして男性をまじえずに、女性だけで会が開けたことを喜んだ。