Fate雑記(士凛特化)&血だまりスケッチ こと 魔法少女まどか☆マギカ観測所

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帰ってきたクララの明治日記 第12回−2

1884年4月4日 金曜
昨年11月に妹のアディが始めた“セイショノトモ”という聖書読書連合の大会が昨夜開かれた。
場所は築地に近い、京橋二丁目にある明治会堂で、千名以上収容する建物だが満員どころか、いろいろな人でごったがえしていた。
しかしその大部分は会員で、出席するために何マイルも遠方から集まった人たちだ。
会は七時半から始まったが、早々と五時半に来た人もあったそうだ。
津田氏が司会者で、ヴァン・ペッテン夫人が演奏。
五、六校の生徒が出席して、演壇の両側に綺麗に整列し、歌の時にはたいそう役に立っていた。
小崎弘道氏の熱心な祈りによって会が始められた。
次に奥野昌綱氏が聖書について講話し、尊い使徒のような容貌と澄んだ力強い声で、深い印象を与えた。
奥野氏の話を理解するのがむずかしいと思った者は一人もいなかった。
二つか三つ讃美歌を歌ってから、長田氏が聖霊の降臨を願って熱烈な祈りを捧げた。
京都と大阪に、盛んなキリスト教の信仰復興運動が起きているようである。
東京の牧師たちは、毎日会合を開き、東京にも同じ祝福が与えられるようにと祈っている。
長田氏が祈ったように、このような祈りによって多くの祝福が与えられるに違いない。
ルーミス氏は素晴らしい本、聖書について英語で講話をし、ヴァーペック博士は日本語で話をされた。
博士を迎える拍手と、まわりの人たちの博士をほめるひそひそ話を聞げば、どんなにヴァーベック博士が人気があるかがわかる。
次に津田氏は、二十二年間もドイツに滞在していたという宣教師のスコット氏を紹介した。
小崎氏の通訳によってスコット氏は、インドにおける仕事について興味深い話をした。
次に幻灯の余興で、ヨセフの生涯の物語があった。
幻灯板がさし込まれると和田秀豊氏が説明をした。
間に二つの讃美歌が歌われ、聖書の日課の今日の分の映写が入った。
一同は起立して、それを読んだ。
最初は低い男声の詠唱のような調子ではじまり、演壇上にグループ別にならんだ女学生たちの高い声に受けつがれた、なめらかな言葉の流れは、聞いていると、とても美しい。
一同が立って奥野氏の祝福を受げた時には相当遅くなっており、家に帰ったのは十二時近かった。