Fate雑記(士凛特化)&血だまりスケッチ こと 魔法少女まどか☆マギカ観測所

Fate雑記(士凛特化)&血だまりスケッチ こと 魔法少女まどか☆マギカ観測所

異文化交流クイズ「ナポレオン三世によるパリ大改造」最終回。ナポレオン三世の降伏によるフランス第二帝政の消滅、ヴェルサイユ宮殿におけるドイツ帝国の建国発表、そして世界で初めての労働者による政権パリ・コミューンの成立。
僅か半年足らずの間に世界史上稀に見る激変を味わったパリ市民ですが、その結末は!? そしてその終局には「ナポレオン三世によるパリ大改造」が「大きく寄与」することになるのです。。。
再びオリジナル小説の一節より御紹介。


終局は音もなく、しかし確実に死神を随行者として、パリの町を包囲し始める。
革命の勃発によりパリを逃れヴェルサイユに拠点を構えたアドルフ・ティエール率いる臨時政府は、フランス各地やスイスに駐留していた軍隊、果てはビスマルクの“快い協力”により解放された帰還兵を呼び戻し、そのまま“暴徒に占拠された”パリ奪還を命じた。
その凄まじい砲撃でプロイセン軍の猛攻にも耐えた“ティエールの城壁”が打ち砕かれていく。「自己の矛をもって自己の盾を撃つ」という歴史上稀やかなる機会を、この渋面の酷薄な首相は得たわけだ。
外部で着々とパリ市民の大量虐殺の準備が整えられる一方、コミューン内部の崩壊も急速に進行していった。人民により選任された筈の委員や将軍は次々と罷免されていき、市内に残った“革命の敵”は即決裁判により次々と銃殺されていく。彼らは既に己の足を喰らい尽くす、身動きのとれなくなった蛸に過ぎなくなっていた。
5月16日、軍国主義の象徴を排除するという名目でヴァンドームの円柱が爆破され、その翌々日にはティエールのパリ市内の自宅が略奪にあった上で、破壊された。そして遂に5月20日土曜日の午後、一人の土木監督が第六四稜堡の間道をヴェルサイユ軍に明け渡す。しかし現場も、そしてコミュンーンにおいてもその侵入に対し何ら対策がとられることはなかった。まるでこれから起こる破滅の運命を甘受したかのように。
翌21日、ヴェルサイユ軍がサン・クルー門からパリ城内へと突入。
最期の一週間が、血と惨劇の、パリ史上最凶最悪となる一週間がここに始まる。
同族同士の骨肉相食むその狂気と大量虐殺を、ドイツ帝国軍は占拠地のサンドニで冷然と見物していた。己の手を全く汚すことなく。


第8回の出題編における、ティエールの城壁の「歴史の皮肉」とは、まさにこのことを指していたのでした。
そしてパリ史上最凶最悪となる一週間。市民達はコミューンを守るべくバリケードへと赴きます。このシリーズの最初で述べた通り、バリケードこそ絶対的な火力を持たぬ市民たちの最後の砦であり、事実このバリケードこそがパリの歴史を創ってきたからです。
ですが、それは「ナポレオン三世によるパリ大改造」以前の話。
幾何学的均整のとれた、太く直線的な、見晴らしの良い道路が広がることとなった新たなるパリにおいては、バリケードの神話は既に崩壊していることを市民はその最期の瞬間まで気付きませんでした。大きな道路を塞ぐ大規模なバリケードは容易に築くことは叶わず、たとえ苦労して構築に成功したとしても、進歩した大砲はそれを一撃で破壊。しかもコミューン側のバリケード間にはまるで連絡網がなく、彼らは為す術もなく格好の各個撃破の対象となっていきました。ナポレオン三世のパリ大改造は、結果的に「より多くのパリ市民を、より迅速に殺す」のに手を貸すこととなったのでした。。。


さて、ここで今週のクエスチョン。最後は完全に内ゲバ状態に陥ったコミューンですが、その最末期には狂気とも云える命令を下しています。以下の命令のうち、コミューン指導部から実際に出された「命令」はどれでしょう? 最後の問題と云うことで、三択でお願いします。
1.コミューンの兵士が狙撃される可能性のある家屋は全て破壊せよ。
2.“秩序の軍隊”に白旗を上げた者は、全員射殺せよ。
3.武器を持てる者は老若何女を問わず、パリケードに集結し、徹底抗戦せよ。
……このどれであっても、狂気以外の何ものでもありませんが。。。。
回答は木曜日の22時まで、web拍手にてお待ちしています。
web拍手