Fate雑記(士凛特化)&血だまりスケッチ こと 魔法少女まどか☆マギカ観測所

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クララの明治日記 超訳版第69回−2

1879年1月14日 火曜日
午後、母と一緒に湯島聖堂のアジア協会に行った。
早く着いたので、ディクソン氏、ホートン夫人、ミス・ジョンソンだけしかまだみえていなかった。
しかし間もなく他の方たちもみえて会は始まった。
書記が前回の記録を読み、マレイ氏は近く帰国されるため、会長の役をサイル氏に譲られた。
マレイ氏は大変有能な会長だったから、彼を失うのは極めて残念だ。
次に英国公使館のアーネスト・サトウ氏が、次のような話をされた。
ジェズイット派の宣教師が昔大勢の改宗者を得た島原と長崎で見つかったキリスト教徒の墓に、奇妙な文章が刻まれていたというのだ。
三千三百三十三人<と云われている>キリスト教徒が打ち首にされ穴に放り込まれたが、親切な大名<長州の殿様だったと思う>がその墓の上に大きな石碑を建てたのだそうだ。
『キリストによって迷わされた彼らの魂が地獄の火によって清められ、遂には仏の極楽浄土に入ることを許されますように』
石碑にはそんな意味のことが記され、彼らのために仏教の祈りの言葉「南無阿弥陀仏」が記されているということであった。
この後、サイル先生、マレイ先生、サトウ氏、ハリー・パークス卿によって討論が行われた。
ついで品川のジェームズ船長が古代日本史から二つの物語を読んだ。
一つは山田長政の話。
山田長政は滝と太田という二人の商人を連れて台湾に、更にシャムに渡って、巧みな戦術の心得によって王に認められ、王女を妻に与えられた。
後に摂政になったが、幼君の母親に毒殺された。
もう一つの話は浜田弥兵衛が台湾の要塞のオランダ人司令官ピーター・ノイツと戦った話である。
ノイツはひどい悪人で、あらゆる機会に日本人の財産を強奪したのだ。
英国の国会議員のリード氏という方が今日本に来て、海軍を組織しているが、彼と息子さんもアジア協会にみえていた。
ユーイング氏によると、リード氏は世界各国の海軍を組織しているということだった。