Fate雑記(士凛特化)&血だまりスケッチ こと 魔法少女まどか☆マギカ観測所

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クララの明治日記 超訳版第37回−3

1877年12月14日 金曜日
母とアディと私は、シモンズ先生のための抜き打ちの誕生パーティーに出席するため横浜へ行った。
晩はヘップバン夫人の家に泊まることになって、とても楽しかった。
ヘップバン先生は、私にまるでお父様のように親切にして下さる。
家に入って行った時に、腕に抱いてキスして下さった。
祖父が生きていたらきっとこのように可愛がってくれただろうな。
今日の吃驚ハーティーは、シモンズ先生がヘップバン先生のおうちにお茶に招かれている間に、私たちが隣家でパーティーの準備をするという寸法だ。
ユウメイの義父であるマッカーティー先生も来られ、八時頃まで私たちは炉の周りで楽しい時を過ごした。
「それでは、私は用事がありますから」
ヘップバン夫人が部屋を出られ、間もなくヘップバン先生とシモンズ先生以外の人は、全部部屋の外に呼び出された。
私たちはオーバーなどを着て、外が真っ暗なので提灯を持ち、裏口から抜け出して、シモンズ先生のうちへ行った。
客間と居間には既に大勢の人が集まっていた。
お喋りしている人、ダンスをしている人。
そこで満を持して、ウィリイはヘップバン先生の家に戻り、玄関のベルを勢いよく鳴らした。
「先生、急病人が出ましたから、お宅に戻ってください!」
ところが困ったことに、先生は平然としてこう云われるのだ。
「待たせておきなさい」
その後の兄の苦労は如何ばかりのものであったことか。
やっとのことでシモンズ先生がうちに帰ってくることを承諾されたので、ウィリイは横の入口の方に先生を案内した。
扉を開けた瞬間。
ドアの内側で待ち伏せしていた大勢の女の人が、キャーキャー言いながら先生に飛びついた。
そして先生のオーバーや帽子を脱がせてしまう。
顔が青ざめ呆気にとられている先生を、皓々とと明かりがついている玄関の方へみんなで引っ張って行った。
そこにいる人の半分は私の知らない人だったし、必ずしも知り合いになりたいとも思わない。
コールズ夫人、ハバード夫人とお嬢さん、ルース・クラークなど、私の知っている方もあった。
ルースはダンスをしていたが、一人前のレディであった。
私もあんなに社交の場で自然に振る舞えたらいいのに。
この晩、私はヘップバン夫人の部屋で寝た。