Fate雑記(士凛特化)&血だまりスケッチ こと 魔法少女まどか☆マギカ観測所

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1877-06-01から1ヶ月間の記事一覧

クララの明治日記 超訳版第32回−4

1877年6月23日 土曜日 「奥様、お嬢様、わたし、このたび熊本に行くことになりまして」 今朝夢中で仕事をしている時、テイが突然そんな話を切り出したので吃驚した。 熊本と云うことは、今起こっている薩摩との戦に駆りだされるのだろう。 雷に打たれ…

クララの明治日記 超訳版第32回−3

1877年6月20日 水曜日 今朝早起きしたが、起きると間もなく精養軒の給仕が朝食を持って来た。 修辞学を暗唱しているとジェニー・ヴィーダーから手紙がきた。 横浜へ行ってテネシー号の歓迎会に出なくてはならないから、今日の会合には行かれないとの…

クララの明治日記 超訳版第32回−2

1877年6月19日 火曜日 昨夜上杉氏が、自分の内の庭にあるお堂を古い石と引き替えに売って、跡をクローケー場にする計画を立てていると云われた。 この計画は文明の進歩の一例だと考えたい。 いつものようにやって来た矢田部氏はとても感じが悪く――何…

クララの明治日記 超訳版第32回−1

1877年6月16日 土曜日 今朝ぐったりと疲れて目が覚めると、外は大雨。 明日はアディの誕生日だから、今日お浜御殿に行って祝う予定だったので、アディはがっかりしている。 疲れ切って、ゆっくり休息もしていられなくなったのは、昨日使用人との間に…

クララの明治日記 超訳版第31回解説

【クララの明治日記 超訳版解説第31回】 「アンタのことなんてなんとも思ってないんだから、握手だってしてあげないんだから! カテスラの作り方を教えてくれたって、感謝してあげるのはあくまで義理なんだからね、勘違いしないでよ!」 「……お逸、貴女、…

クララの明治日記 超訳版第31回−13

1877年6月14日 木曜日 午前中に滝村氏が、徳川公を乗せた船が昨日出航し、この若き友に関してはすべて順調に行っていると知らせにおいでになった。 そして徳川公からの挨拶と、化粧鞄のお礼をお伝えになったけれど、ケーキのことは何も云わなかった。…

クララの明治日記 超訳版第31回−12

1877年6月13日 水曜日 「家達様は横浜の大きなホテルに泊まっていにして、大勢の人が会いに行っているらしいわよ。もっとも面会を許されるのは、貴族や高い位の人たちだけど」 お逸が今日もまた内部情報を教えてくれた。 昨日の官報に載ったインタナ…

クララの明治日記 超訳版第31回−11

1877年6月12日 火曜日 今日授業が終わると、母は今度の金曜日に予定しているお客のために横浜へ買い物に行くことに決めた。 昨夜のひどい風による恐怖が嘘のように朝は晴れ上がっていたので、午後一時に出発した。 汽車の中で知人には誰にも会わず、…

クララの明治日記 超訳版第31回−10

1877年6月11日 月曜日 今夜風がひどく、怖くてたまらないので眠れない。 神様がこの強風を支配しておられ、風はその指図に従っているまでだと分かってはいても、この強い神の僕の前では私の勇気は萎んでしまうのだ。 徳川公は今日船で出発される予定…

クララの明治日記 超訳版第31回−9

1877年6月9日 土曜日 今日は終日、生暖かい南風が吹き、皆だるくてぼうっとしていた。 風が吹くと、いつもこうなのだ。麻布にある開拓使の第三号試験場――とは云ってもその実態は物品売り捌き所なのだけれど――に行って野菜と花を買った。 それからお花…

クララの明治日記 超訳版第31回−8

1877年6月8日 金曜日 今朝、お祈りの用意をしていると、人力車が二台やって来て、徳川公と大久保三郎氏が降りてきた。 さあ大変! 生徒達は客間から飛び出し、私は二階に駆け上がって綺麗な襟をつけ服装を整えた。 それから下へ降りて行って徳川公と握…

クララの明治日記 超訳版第31回−7

1877年6月7日 木曜日 最近日記を纏めて書くことが多いけれど、これは風邪で気分が悪いのと、仕事が忙しいからである。 勉強したり教えたりする時以外は無精になってしまい、軽い読書をするか何も考えないで坐っているだけだ。

クララの明治日記 超訳版第31回−6

1877年6月5日 火曜日 今日はお逸と、日本の習慣や言い伝えについて長い間面白い話しをした。 例えば子供の歯が抜けるか抜くとした場合のことだ。 それが下顎の歯ならば、新しい歯が上に向かって生えるように家の屋根の上に投げ上げ、上の歯ならば、新…

クララの明治日記 超訳版第31回−5

1877年6月4日 月曜日 徳川公が、九日か十日に出発する今度の汽船でイギリスに行かれることになった。 今日の夕方、うちで食事をした種田誠一氏という若い銀行家が、そう教えてくれたのだ。 大久保氏、三郎さんではない、弟の方の大久保業氏がお供とし…

クララの明治日記 超訳版第31回−4

1877年6月2日 土曜日 今日うちで祈祷会を行った。 昼の一時過ぎに本当に懲りない矢田部氏がみえた。 「お浜御殿へ行きませんか」と誘ってきたのだけれど、私は無論行かなかった。 たとえ行けたとしても行く気はなかった。 「矢田部氏は、お宅のクララ…