Fate雑記(士凛特化)&血だまりスケッチ こと 魔法少女まどか☆マギカ観測所

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1879-05-01から1ヶ月間の記事一覧

クララの明治日記 超訳版第80回−6

1879年5月29日 木曜 今朝、梅太郎が私に自分の身の上について打ち明けてくれた。 こんな若い少年がこんなことを知っているかと思うと、私はショックを受けた。 「叔母に会いに六月に長崎に行くつもりですが、このことは他の方には内緒にして下さい」 …

クララの明治日記 超訳版第80回−5

1879年5月28日 水曜 朝起きると外は雨。 だが母は苦労を厭わず、学校へ出かけた。 私は勿論家にいたが、午後久し振りにユウメイに会いに。 青いショールにシャツとベストを着て、浅黒くほっそりと見えた。 ユウメイはこの新しい洋服をとても得意にし…

クララの明治日記 超訳版第80回−4

1879年5月27日 火曜 今日は、人の一生にもよくあるように、はじめは素晴らしいといってもよかったのだが、だんだん崩れてしまい風雨のひどい嵐になってしまった。 それで昼以降、家に閉じこめられ、物を書いたり、本を読んだりして時間を過ごしている…

クララの明治日記 超訳版第80回−3

1879年5月26日 月曜 五月にふさわしい晴々とした朝! 母は「苺を食べにくるよう」と同人社の生徒たちを招待したので、津田氏の農園に二十ポンド注文し、その他にもおいしいものを用意した。 二時に黒い肌、赤い頬、汗と髪油の匂いをさせた丸々した女…

クララの明治日記 超訳版第80回−2

1879年5月25日 日曜 あいにく、教会に少し遅れたが、イギリス人のエッジ氏の説教には間に合った。 バラムの「我これを見ん然れど今にあらず――」について、短いが含蓄のある話だった。 今夜の祈祷会は盛会だった。 いつものメンバーの他、工部大学校の…

クララの明治日記 超訳版第80回−1

1879年5月24日 土曜 昨日の昼に、田中を共に横浜へ行った。 一番良い席はうるさい清国人の一行に占領されてしまったので、汽車の旅はつまらなかった。 田中が居留地に来たのは初めてのことだ。 「この大きな建物は何でございますか、お嬢様?」 そん…

クララの明治日記 超訳版第79回解説

【クララの明治日記 超訳版解説第79回】 「お祭りの話、クララ、相変わらずだねぇ。 熱心なキリスト教徒として潔癖なのは分かるけど、容赦ないというか、身も蓋もないというか」 「ただ一点、進歩したことがあるんじゃありませんの? ほら、日本に来た当初…

クララの明治日記 超訳版第79回−3

1879年5月20日 火曜 ジョージが昨日来て、ビンガム公使の乗ったペキン号は今日、明日にも着く筈だという。 夫人と令嬢のエマ、フレージャー氏に子供のジェシーとハリーも一緒だ。 ビンガム一家と昵懇の間柄で、親切にして頂いていたから、彼らの日本…

クララの明治日記 超訳版第79回−2

1879年5月16日 金曜 最近のフランス船で素敵な帽子や手袋が来たかどうかを見に母と横浜へ行った。 しかし一番良いものは、先に来た人たちが既に選んでいってしまっていた。 だが似合う帽子を一つと、そのほか二、三必要なものを何とかみつけた。 私は…

クララの明治日記 超訳版第79回−1

1879年5月15日 木曜 昨日杉田家の人々が、今日の一時に麻布永坂のお稲荷様である竹長稲荷のお祭見物に招待して下さった。 六蔵にちょっとした贈り物を包み、杉田夫人にも薔薇を一束切って、程よい時間に出かけた。 永坂の杉田家に着くと、玄関で皆が…

クララの明治日記 超訳版第78回解説

【クララの明治日記 超訳版解説第78回】 「團琢磨、キターーーーーーーッ!」 「何をそんなに興奮していますの?」 「團琢磨だよ、團琢磨! 三井財閥の実質的なボス。そして、戦前の日本経済界のドン!」 「そう昂奮されても、世間一般にはこの方の“最期”…

クララの明治日記 超訳版第78回−5

1879年5月13日 水曜日 また雨でじめじめした日だったが、授業が終わった後、今日はアジア協会の日なので聖堂と中村氏宅に行く支度をした。 中村氏のところでは楽しかった。 お嬢様のたか子さんが私に「ピアノを教えて欲しい」と云われた。 良いピアノ…

クララの明治日記 超訳版第78回−4

1879年5月12日 月曜日 今朝は雨が降ったので、母が学校に行くのは気の毒だった。 私も気分がさっぱりせず、憂鬱な一日だったが、何とか終わった。 昨日、ミス・ホアは、田中が哲学的な顔をしていて、孔子の絵のようだと褒めていた。 だがこんなことを…

クララの明治日記 超訳版第78回−3

1879年5月11日 日曜日 神学博士のアレグザンダー氏が「我は世の光なり」について説教した。 とても静かで厳かな説教だった。 私は田舎の牧師館を、まだ蒸し暑い安息日の午後、白い服に水色のサッシュを結び、幅広の麦藁帽を被った子供たちが、キュー…

クララの明治日記 超訳版第78回−2

1879年5月10日 土曜日 木曜の夜、YMCAでとても良い会があった。 ターリング氏がテニソンの「眠れる美女」を朗読したが、美しい言葉と読みが合っていて非常に効果的だった。 昨日は十六日に発つベイリー夫人をお別れに訪ね、リリーを今日の午後に…

クララの明治日記 超訳版第78回−1

1879年5月8日 木曜日 約束通り午後二時に松平氏がみえた。 赤坂福吉町にある、筑前の殿様である叔父の黒田長溥氏の家へ連れていって下さる約束なのだ。 黒田氏の広大な屋敷は勝氏の大門からヤマト屋敷の近くの麻布谷町まである。 大きな白い門を通って…

クララの明治日記 超訳版第77回解説

【クララの明治日記 超訳版解説第77回】 「この数週とは対照的に、今週は本当に話題満載ですわね」 「だねー。明治初期の貴重な天皇陛下・皇后陛下の謁見の際の模様やら、宮内省の雅楽稽古所の演奏会の模様やらも貴重だけど、何より重要なのはうちの父様の…

クララの明治日記 超訳版第77回−4

1879年5月2日 金曜日 今朝早く、地震でみな目が覚めた。 揺り返しがあるだろうとしばらく寝付けなかったので、今朝はとても眠かった。 だけど、父が早く起きるので、七時にはみなきちんと起きた。 「越後屋から小僧が反物を持ってきたから見にいらっし…

クララの明治日記 超訳版第77回−3

1879年5月1日 木曜日 今日は中村正直氏の同人社女学校が平河町達磨坂に開校する記念すべき日である。 母はここで教えるように頼まれているのだ。 今朝九時に行き、十二時から宴会で、二時までいた。 二十名くらいの生徒が集まった他、皇后様の学校から…