Fate雑記(士凛特化)&血だまりスケッチ こと 魔法少女まどか☆マギカ観測所

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1878-01-01から1年間の記事一覧

クララの明治日記 超訳版第62回−5

1878年11月18日 月曜日 昨日の続報である。 兵隊と警察官の間の衝突は大事件であったことを今朝聞かされた。 数人の人が殺され、あるいは虎ノ門の橋の上から堀に投げ込まれたそうだ。 兵隊は抜刀を禁止されており、禁を犯した者は死刑になる。 従っ…

クララの明治日記 超訳版第62回−4

1878年11月17日 日曜日 アディと私は今朝日曜学校に行くのに銀座まで歩いて行った。 気持ちの良い日は車で行くより歩いた方が楽しい。 「虎ノ門のところで兵隊と警官の間に大衝突があったそうだよ」 途中で出会ったアンガス氏にそう教えられた。 と…

クララの明治日記 超訳版第62回−3

1878年11月16日 土曜日 母と一緒に布を買いに町へ出た。 よいお天気だったので、気持ちよく散歩して途中から車に乗り、虎ノ門のところで母と別れた。 私はまずド・ポワンヴィル夫人の家に行った。 昨日勝家からの帰途「子供達の写真を撮るのに写真屋…

クララの明治日記 超訳版第62回−2

1878年11月11日 月曜日 午後、招魂社の近くの湯島にある日本音楽の学校を訪問するという幸運に恵まれた。 滝村氏が迎えに来て下さって、二時に大きな日本式建物の前に着いた。 高主に滝村氏が取次を頼むと、私たちは中に招じ入れられ、岩田通徳氏に…

クララの明治日記 超訳版第62回−1

1878年11月10日 日曜日 コクラン先生が『出エジプト記』二十章八節「安息日を憶えてこれを聖潔すべし」をテキストに説教された。 それは明らかに“あてつけ”だった。 先週の日曜は天長節であり、寺島家で行われた宴会に招かれ、それを承諾した若いデ…

クララの明治日記 超訳版第61回解説

【クララの明治日記 超訳版解説第61回】 「相変わらずの男前だよねぇ、カミングス嬢は」 「人には個性という物があって、それをどうこういうつもりはないのですけれども、流石に『チッ、いまいましい!』というのはレディとしてどうなのです? 英語の原文…

クララの明治日記 超訳版第61回−3

1878年11月4日 月曜日 ウィリイから長いこと便りがなくて心配していたけれど、土曜日に手紙が来て安心した。 ジェニーとガシーがさよならを云いに来た。 午前中にミス・カミングスを訪ねてみたら、せっせと骨董品の荷造りをしていた。 相当の高価なコ…

クララの明治日記 超訳版第61回−2

1878年11月2日 土曜日 今朝、何をしようかと考えているところへ、玄関の銅鑼が鳴った。 「とてもよいお天気だから写生に行こう!」 ミス・ゴードン・カミングスが入って来たのだ。 彼女はダイアー夫人の馬車に乗って来ていたので、私たちはその馬車で…

クララの明治日記 超訳版第61回−1

1878年11月1日 金曜日 今日、私はもう一度みんな招いてちょっとした会を開いた。 ジェニー、ガシー、ユウメイ、ジョージたちがみんな集まった。 ヴィーダー一家は来週の日曜日に出発することになっているのだ。 ガシーたちが行ってしまうと寂しくなる…

クララの明治日記 超訳版第60回解説

【クララの明治日記 超訳版解説第60回】 「……噂には聞いていましたけれど、本当に“ラノベのキャラ”みたいな方ですわね、ミス・カミングスは。これ、本当は原文を弄っているんじゃありませんの?」 「ところがどっこい! 殆ど原文のままだったり。英語版と…

クララの明治日記 超訳版第60回−3

1878年10月29日 火曜日 今日はとってもおかしなことがあったので、寝る前にどうしても書き付けておかなければならない。 昨日書いたとおり、今日はミス・ゴードン・カミングスとの「逢い引き」の日。 というわけで、不安な気持ちで嫌々ながらも、う…

クララの明治日記 超訳版第60回−2

1878年10月28日 月曜日 水曜日以来の短い休暇が終わって、あのいやな女の子たちがまた勉強に来るようになった。 あの子たちを教えるのは正直、母にとって大変な苦労なのだ。 あした私はミス・ゴードン・カミングスと一緒に、骨董品を買いに行かなけ…

クララの明治日記 超訳版第60回−1

1878年10月27日 日曜日 今朝はアレグザンダー先生が「信仰」について説教された。 終わってから、七年間私たちの牧師であったヴィーダー先生が、会衆にお別れの挨拶をなさった。 それは感動的な情景だった。 先生が私たちに話しかけられた時には、胸…

クララの明治日記 超訳版第59回解説

【クララの明治日記 超訳版解説第59回】 「朽木氏、お気の毒に……」 「朽木氏といってもピンと来ない人が多いだろうけれど、福知山の大名家ね。 大名として二百五十年の歴史を誇るこの一族が一番有名になったのは“関ヶ原の戦いで、西軍を裏切った瞬間”かな…

クララの明治日記 超訳版第59回−10

1878年10月24日 木曜日 今日ビンガム夫人のところへ持って行くものを朽木氏に渡すため、彼のところへ行ったが留守だった。 横浜に行ったとのことだった。 船が明日未明に出発するのだと云いながら、夜の八時に彼は駅へ駆けつける途中で立ち寄った。 …

クララの明治日記 超訳版第59回−9

1878年10月23日 水曜日 一日中雨だったが、忙しくてそれさえ気付かないほどだった。 母は今夜自分の口座に入れて貰うよう、八五〇ドルの銀行小切手をシモンズ先生に渡した。 私はブルースさんのための小包を作り、リビーおばさんのためにも作った。 …

クララの明治日記 超訳版第59回−8

1878年10月22日 火曜日 夕べ裏の門をどんどんと叩いて、何か大声で叫んでいる声に目を覚まされた。 はじめは怖かったけれど「郵便」という言葉が聞き取れたので、父に下へ行って郵便を受け取るようにと頼んだ。 とんでもない時間にやってきたのはア…

クララの明治日記 超訳版第59回−7

1878年10月21日 月曜日 昨日は風邪もだいぶよくなったので、家族と一緒に礼拝に出かけた。 ウォデル先生の説教は「克己」についてのもので素晴らしかった。 午後富田夫人がみえ、森有恕老先生は病状が悪化し、もう長くないと思われていることを知ら…

クララの明治日記 超訳版第59回−6

1878年10月19日 土曜日 昨日がウィリイの誕生日だったので、贈り物の箱を作っている。 フジの主人が綺麗なバースデイ・ケーキを作ってくれたのだ。 風邪の症状が出てから三日間も家に閉じこもっているがまだよくならない。 なんとか起き上がって、せ…

クララの明治日記 超訳版第59回−5

1878年10月18日 土曜日 どうやら風邪を引いてしまったらしい。 今日は一日中ベットで寝ていたので別に何も書くことがない。 ただ私がひどく不機嫌だったことと、お逸がお見舞いに二階まで上がって来たことだけである。

クララの明治日記 超訳版第59回−4

1878年10月17日 木曜日 今日母はアディと私を家に残して祈祷会に行った。 私は伊藤と壮次郎の授業をした。その後ジョージ・パチェルダーが訪ねてきた。 ついでトルー夫人とインブリー夫人が来られ、その後にウォデル夫妻とお子さん、ヘップバン夫人…

クララの明治日記 超訳版第59回−3

1878年10月16日 水曜日 今日は母、お逸、アディと私で横浜へ行った。 良いお天気だったけれど、念のために厚い服を着て出かけた。 お逸と私はヘップバン夫人のところへ昼食に招かれた。 そこで姪御さんのリーナ・リートと知り合いになった。 二十三…

クララの明治日記 超訳版第59回−2

1878年10月12日 土曜日 日記を書くのがどうにも遅れがちである。 午前中はアニーと伊藤を教えることと、シェパード家でピアノの練習をするので一杯だ。 この前行った時は、ミュラーの「落葉――秋の思い」という美しい曲を覚えた。 午後は母のためにお…

クララの明治日記 超訳版第59回−1

1878年10月8日 火曜日 新しく来られたユーイング先生が今晩家にみえることになった。 というわけで、私は今朝インブリー氏のお宅に預かっていただいているテーブルを取りに、築地に出かけた。 荷車と人夫を雇って、インブリー夫人とも打合せをしてか…

クララの明治日記 超訳版第58回解説

【クララの明治日記 超訳版解説第58回】 「クララとしては珍しい、なかなかに“女の子らしい”微妙な恋の鞘当てが垣間見えますわね、9月27日の日記は」 「……………………ノーコメントの方向で」 「実際この大久保三郎氏のお父様は、お逸、貴女のお父様である勝…

クララの明治日記 超訳版第58回−5

1878年10月6日 日曜日 ヴィーダー先生が黙示録十四章の「神のうちに逝く者は幸いなり」をテキストにして弔いの説教をなさった。 それはビンガム公使の長女が亡くなったからであろう。公使とミス・エマは教会にみえていた。 ひどい雨にもかかわらず、…

クララの明治日記 超訳版第58回−4

1878年10月5日 土曜日 陰鬱な不快な一日だったので、開拓使行きは延期しなければならないかと思った。 でも母とド・ボワンヴィル夫人が祈祷会をしている間に私は築地へ行き、森夫人も訪ねた。 午後グレタ、アニー、ルウの三人のシェパード家の子供た…

クララの明治日記 超訳版第58回−3

1878年10月3日 木曜日 アディと私はサットン家のテニスのパーティーに行く予定の筈が。 プレストン・クレッカーの誕生日だということなので、アディはプレストンを手伝ってお祝いをしてあげるために築地に行くことになり、私は連れて行かなければなら…

クララの明治日記 超訳版第58回−2

1878年10月1日 火曜日 今日日記を数えて、私が日記をつけ始めてから七年間に、どれだけ紙を浪費したかを計算しようとした。 しかし書くことこそが私の十字架なのだと思い直した。 もし日記がなかったら耐え難く淋しいであろう。 とりあえず、過去はし…

クララの明治日記 超訳版第58回−1

1878年9月27日 金曜日 津田氏が昨日見えた。 「東伏見宮妃殿下がピアノを持っておられ、習いたいと仰っておられるのですが。 クララさん、殿下のお宅に伺ってピアノをお教え頂けませんか?」 東伏見宮殿下は日本で最も美しい男性と考えられており、内…